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DS1307モジュール部品を作ってみる!
- Elegoo社製の「 Arduino用のUNO R3 最終版スタータキット」を購入しました。付属していたRTCモジュール(DS1307)の部品データをFritzingのライブラリで探したり、Webで探したりしましたが、見つからず作成しました。
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部品の画像データを作成するのに必要なツールの記事は?
- [InkScapeの入手方法と使い方 ] — フリーの描画ソフトを使います
何を参考にして部品を作成すればよいの?
- 部品作成の方法、注意などが、Fritzingホームページの[Creating-Custom-Parts]に記載されています。
- 部品を作る基準がFritzingホームページの[Fritzings-Graphic-Standards]に記載されています。
- 必要なフォント、図面例がFritzingホームページの[Download-fonts-and-templates]からダウンロードできます。
- 作成時のガイドラインです、困ったときに参照します。
部品を作成するためのツールはなに?
Fritzing | FritzingとFritzing (New) Parts Editorを使います。 |
Inkscape | SVGフォーマット対応ソフトウェア |
Font : OCR-A | ICおよび他の部品用のフォント |
Font : Droid Sans | IC以外の部品用のフォント |
フォントはDownload-fonts-and-templatesからダウンロードできます。
Fritzing 部品作成で必要な図面・データは?
- Fritzing 部品作成にはFritzing (new) Parts Editorの編集項目の①~④の図面データが必要です。
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部品を作るための概略の手順は?
- 部品の外形と端子名を決めます。
- Fritzing (new) Parts Editorで必要とする図面・データ①②③④をInkspaceを使って作成します。
- Fritzingに既に登録されている部品を読み込み、Fritzing (new) Parts Editorを使って開きます。
- ⑥の図面・データのコネクタ位置と端子の名称の関係を編集します。(必要な場合)
- 読み込んだ既存の部品の画像データを2.で作成したデータ①②③④に置換します。
- ⑤のMetadataにデータの名前、属性などを記入します。
- 完成した部品に名前を付けて保存します。
部品の外形、端子名を決める
- RTCモジュール(DS1307)の寸法を測っておおよそのサイズを決めました。インチ基準でその倍数になるようにしました。
- 私は簡単な3D図はSketchUpで作っています。CADは多くの操作ボタンが並んでいて多種の操作が必要なことが多いのですが、SketchUpは操作が簡単で短時間で描画できます。
- [SketchUpは3D設計で使えてSTLの出力ができます]でSketchUpの簡単な説明をしています。
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- 端子名を決めます。(DS1307の端子名がPCB基板にシルク印刷してあるのでそのまま使いました。)
端子番号 | 端子名 | 備考 |
1 | GND | グランド |
2 | VCC | 電源 |
3 | SDA | データ |
4 | SCL | データクロック |
5 | SQW | 設定した波形の出力 |
ブレッドボード用のパターンを作成
- Inkspaceで①ブレッドボード用のパターンを作成します。
- フォントは指定のフォント(Droid Sans、OCR-A)を使用します。
- 端子間の距離は、2.54mm(1/10インチ)にします。
- 端子の幅は最短で0.762mm(3/100インチ)にします。
- 端子のIDはconnctor#pinとします。(#は最初を0とした通番です。)
- 編集が終了したら、[編集]->[ページサイズを選択オブジェクトに合わせる]でページサイズを変更します。
- ファイル名を、ds1307-breadboard.svgとして保存します。
- RTC(実時間)モジュール(DS1307)の外形を眺めながら、Fritzingのブレッドボード用の画像を作成しました。細部にこだわると時間がかかるので簡略化しています。ほどほどに似たような外観にしています。
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- 端子には規則に従ってIDをつけなければなりません。connector#pinというIDです。#は端子の0から始まる通番にします。Inkscapeの[オブジェクトのプロパティ(O)]でIDを設定します。設定後にInkscapeのオブジェクト表示でIDを確認します。([編集(E)]メニューの[XMLエディター(X)]でも確認できます。)
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- [パス(P)]->[オブジェクトをパスへ(O)]でテキストをパスへ変更します。
回路図用のパターンを作成
- Inkspaceで②回路図用のパターンを作成します。
- フォントは指定のフォント(Droid Sans、OCR-A)を使用します。
- 端子間の距離は、2.54mm(1/10インチ)にします。
- 端子のIDはconnctor#pinとします。(#はブレッドボード用のパターン端子の番号に合わせます。)
- 編集が終了したら、[編集]->[ページサイズを選択オブジェクトに合わせる]でページサイズを変更します。
- ファイル名を、ds1307-circuit.svgとして保存します
- ブレッドボード用のパターン作成と同様に、端子のIDを設定し、設定後にオブジェクト表示でIDを確認します。
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PCBパターンを作成
- Inkspaceで③回路基板用のパターンを作成します。
- フォントは指定のフォント(Droid Sans、OCR-A)を使用します。
- 端子間の距離は、2.54mm(1/10インチ)にします。
- 端子のIDはconnctor#pinとします。(#はブレッドボード用のパターン端子の番号に合わせます。)
- PCBパターンのシルクスクリーンと銅箔のパターンの階層構造を[Download-fonts-and-templates]からダウンロードできるPCBパタ-ン例と同じ階層構造にします。
- 編集が終了したら、[編集]->[ページサイズを選択オブジェクトに合わせる]でページサイズを変更します。
- ファイル名を、ds1307-pcb.svgとして保存します
- PCBパターンはsilkscreen、copper0、copper1、各端子、を以下の階層で作成します。
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- Silksceenは白色なので背景に色を付けるとパターンを作成し易くなります。
アイコンを作成
- Inkspaceで④アイコン用のパターンを作成します。
- ①で作成した、ブレッドボード用のパターンのページサイズを[ドキュメントのプロパティ(D)]で縦横の長さが同じになるように設定し、画像をその中心に移動させます。
- ファイル名を、ds1307-icon.svgとして保存します
Fritzingに既存の部品を読み込む
- Fritzingのブレッドボード画面に既存の部品を読み込みます。(DIP 8pin ICを選んだ例です。)
- ブレッドボード画面の部品を選択し右クリックのメニューでFritzing (new) Parts Editorを開きます。
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- Fritzing (new) Parts Editorの[コネクタ]の編集画面に移動し、端子数を8からDS1307の5に変更します。
- PinのIDがconnctor#pinとなっており、#はブレッドボード用のパターン端子の番号と同じであることを確認します。
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既存部品のデータの置換
- Fritzing (new) Parts Editorのブレットボード編集画面にします。
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- [ファイル]メニューから[Load image for view]を選びます
- ファイル選択のダイアログが出るので作成したブレッドボードのファイルを選びます
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- ブレットボード編集画面の部品データが、DS1307の部品データに変わります。
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- IDの設定に誤りがあった場合はpinのチェックボックスにチェックマークが付きません。修復するには、SVGの図面を正しく修正して再度読み込むか、もしくは手動でpinと図面に関連付けを行います。(回路図、プリント基板の部品データでも同様に行います。)
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- 回路図の部品データを同様に変更します。
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- プリント基板の部品データを同様に変更します。

- アイコンの部品データを同様に変更します。
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- ⑤Metadataの設定画面にデータを入力します。(動作には直接は影響が無いようなので適当に入力します。)
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データの保存と確認
- Fritzing (new) Parts EditorへのDS1307のデータ入力が終了したので、部品データとして登録します。
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- Fritzingの画面で部品が登録されたていることを確認します。
- 登録された部品をブレッドボードにドラッグして表示されることを確認します。
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- 登録された部品をエクスポートしてfzpz形式のファイルで保存します。
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- Arduino UNO R3の部品をドラッグしてDS1307の部品と接続できることを確認しました。
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